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2026.10.02

  • プロジェクト・事業

原体験ゼロの私が「シニア・相続市場」で起業した理由。

サムネイルは2019年、創業期に参加した「OpneNetworkLab」というアクセラレータープログラムのDemoday直後、疲れ過ぎて絶妙な表情になっている創業メンバー3人の写真です。(ピッチは2冠達成しました🏆🏆)

こんにちは、AGE technologies の塩原です。

弊社は「資産と想いを、つなぐ。」をミッションに掲げ、超高齢社会となった日本に起こる課題を解決し、人生100年時代を支えるNo.1テックカンパニーを目指す会社です。

8年前にこの領域で起業した私ですが、「なんでその領域で起業したの?」と聞かれることがたまにあります。

スタートアップの創業者には、
①強烈な原体験があってそのマーケットで起業した
②原体験は無いが特定マーケットを選んで起業した
の2パターンがあると思いますが、自分は後者です。

私は今年35歳になった世代で、幸いまだ両親も健在で、相続において何か特別な経験をしたことはありませんでした。

ではなぜこの領域で起業したのか?起業前に考えていたことや経緯について、簡単に振り返ってみました。

一次情報を得るために起業を諦め、転職を決意

経歴を簡単にご説明すると、新卒でインターネット広告代理店に入社し、その後アプリ開発を行うスタートアップを経て、前職は中小企業の相続・事業承継に特化したコンサルティング企業で働いていました。代理店では広告運用実務を経験、スタートアップではその流れでマーケ担当としてアプリのマーケ業務に取り組んでいました。

実はこのスタートアップを退職するタイミングで起業をしようと考えていました。しかし当時起業することは決めていましたが「どの領域で起業するか?」については全く決めておらず、アイデアベースでは浮かぶものの、それはあくまでもアイデアでしかなく、業界知識が無いためそれ以上の解像度へ踏み込めず悩んでいました。

その頃いわゆるスタートアップのシード期を経験していた私は、創業初期において「解像度の高い一次情報を持っているか」がいかに大事かを理解しており、そこで考え続けた結果、一旦起業することを辞め転職することにしました。

どうせ起業するなら「◯◯×IT」のように、テクノロジーの入る介在価値や幅が大きい分野で起業したいと考えていたので、それまでに経験してきた広告、アプリ、エンタメなどの領域を避け「できるだけ非ITな領域」と考えて入社しました。

当時は”AI”という言葉もほとんど聞かなかった時代です。いま振り返ると、課題にしてもサービスにしても「ITかどうか」はそんなに重要では無いので、この選び方で起業するのは危険かもしれません。

課題を抽象化して辿り着いた、”相続手続きの非効率”という課題

前職では、主に中小企業経営者の「事業承継」という課題に対するコンサルティングを行っておりました。

日本には400万社以上の中小企業がありますが、後継者不足による団塊の世代(1947〜49年生まれ)の経営交代率が年々低下し、それによって経営者の平均年齢は年々上昇しています。後継者が既に決まっている企業は全体のわずか12.4%で、また廃業予定、どうするか未定という企業が70%以上を占めています(2018年当時のデータです)。

この課題はGDPの将来的な減少にも大きく影響する課題で、仕事を初めてすぐにマーケットの課題の深さに気付き「何かしらの形でイノベーションを起こせないか」と考えました。

しかし、実際に経営者の方や、その子世代の方々と現場での面談を重ねていると、この領域(当時は事業承継)はテクノロジーによるイノベーションというよりも、優れた弁護士、会計士など、マンパワーが集まることで解決する分野なんだなと、考えるようになりました。

もちろんこれは2017年頃、当時の考えなので、その後徐々に業界にITサービスも浸透し始め、今では当時と異なる見え方もあります。

そこで経営者の後継者問題に取り組みながらも、「人が死を考え始めた時に起こること」というかたちで、軸をやや抽象化しながら考え続けた結果、資産5,000万円未満のアッパーマス層・マス層に区分される方々の「相続手続きの非効率」という課題に辿り着きました。

起業する前にぼんやり考えていた、3つの条件

このように前職の経験を軸に、初期エントリーするマーケットは「相続領域」とほぼ決めていた私ですが、それとは別に「起業するならこんな軸でやりたい」と当時ぼんやり考えていた条件があります。

  1. 課題やマーケットが十分な大きさになっているか

  2. 課題と解決策がシンプルに定義できるか

  3. タイミングが適切であるかどうか

と、整理していました。

―課題やマーケットが十分な大きさになっているか

起業するなら少なくとも10年、20年は続けられる分野と考えていたので、どうせやるなら大きな課題、大きな市場でと初めから考えていました。

またどちらかというと、ワンプロダクトの提供というよりも、一つのエントリーポイントを皮切りに、その周辺領域を全部やる、という思想や戦略が好みで、その意味でもマーケットの大きさや課題の多さみたいなものは重視していました。

現在私たちが取り組んでいる相続手続きというジャンルは、見方によってはややニッチとも思われる方もいるかもしれません(人が亡くなることは個人単位では頻繁に発生することでは無いですからね)。

が、私たちが最終的に張っているマーケットは「高齢社会で起こる課題の解決」であり、相続だけでなく、医療、介護、予防、住まい、生活サービスなど幅広いジャンルがあり、また日本は世界でも稀な超高齢社会であり、そこにはたくさんの課題と大きなマーケットがあると考えました。

実際に2025年には不動産業、そして2026年には古物商を使ったリユース業、生命保険代理店としての生保事業など、事業の多角化を粛々と進めています。

―課題と解決策がシンプルに定義できるか

世の中で成功しているサービスは多くがこの条件を満たしているので、ある意味説明が難しいのですが、スタートアップでサービス運営をしていた時に「課題と解決策がシンプルじゃないと、人って使わないんだな」と日々感じていました。これだけ世の中に便利なサービスが増えていくと「一握りの無くてはならないサービス」にならないと人は使い続けません。

ここを外さないことを条件とした時に「煩雑でアナログな相続手続き」を「テクノロジーで解決する」というシンプルな課題と解決策に落とし込むことができ、またその課題の背景には「人の死」や「高齢化」という普遍的でより大きな課題が存在していたのも決め手となりました。

―タイミングが適切であるかどうか

市場の参入タイミングは、起業の教科書的な本にもよく書かれることですが、これもスタートアップの経験で「ここを外すといくら優秀なメンバー・プロダクトでも無風で終わるから特に気を付けたい」と考えていました。

実は私たちの領域では、起業した翌年の2019年に相続法が40年ぶりに改正されたり、現在取り組んでいる不動産の名義変更手続きでも2024年に法改正があり義務化されたりと、国の重要なアジェンダとして、変革が続いています。

本音でお話しすると、法改正を起業前に予測していたかと言えばそれは言い過ぎですが、リサーチをかけた結果「国が真剣に課題として捉えているな」という肌感は抑えており、これから波が来るだろう、という予測はありました。

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以上が、原体験が無かった自分がこのマーケットに辿り着いた背景です。

続きはぜひ面談等でお話しさせて下さい!

人生100年時代を支える、テックカンパニーを創る

ここまでもっともらしく起業背景やドメイン選定の理由を語ってきましたが、正直なところ、当初はどのようにPMFできるか手探りな部分も多かったです。要するに、すべて後付けです(笑)

が、創業から8年が経ち、既に累計で7万3,000件以上の不動産の相続手続きで利用されているという実績も合わせ、日本で最も「相続手続きに詳しいIT企業」であるという自負があります。

しかし、私たちが中長期で目指すミッションに対しては、事業・組織の双方において、まだまだ道半ばです。

「そうぞくドットコム」は、巨大な相続市場への第一歩にすぎません。現在は手続き後の「資産の処分・活用」や「次の相続対策」へと領域を広げていますが、実現すべきことは無数にあります。

私たちのメインユーザーである50〜60代の方々は、ご自身の問題だけでなく、親の介護や子どもの受験など、ご家族に関する多様な悩みを抱えています。そうしたライフステージの課題に寄り添い、業務効率化からコンサルティングまで包括的に解決することこそが、AGE technologiesの目指すゴールです。

既に新規事業の構想は20案を超えており、既存事業においても挑戦したいテーマが山積みです。市場で確固たるポジションを築きつつある今だからこそ、挑戦できるフィールドが豊富にあります。

カジュアル面談では、事業の展望や具体的な取り組みについてさらに詳しくお話しします。少しでも興味を持っていただけた方は、ぜひ気軽にお話ししましょう!

  • プロフィール

    代表取締役社長

    塩原 優太

    新卒でIT広告代理店に入社し、Web広告の運用実務を経験。その後、アプリ開発スタートアップを経て、中小企業の相続・事業承継に特化したコンサルティング企業に参画。超高齢社会が抱える課題の深刻さと事業機会の大きさを実感し、2018年に当社を創業。

    ▶︎大阪市出身。サッカー経験者でポジションはセンターバック。尊敬する起業家は孫正義、藤田晋。ダウンタウン愛が強い関西人。

株式会社AGE technologies

2018年創業。「そうぞくドットコム」の開発・運営を軸に、不動産売買や生命保険活用など幅広いコンサルティングを展開。相続や終活にとどまらず、生前準備からその先まで、シニアや家族のライフイベントに寄り添う多様なサービスを提供。

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